美大出身者に朗報? 「3Dモデラ―」へのニーズが沸騰! いよいよバーチャルリアリティ(VR)が生活シーンに浸透してきた

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新型コロナの影響で、昨年や今年卒業のほとんどの方が「就職活動に大きな影響があった」と感じたのではないでしょうか。美術系大学生において見てみると、2019年卒と2020年卒を比較したところ就職率は69.5%から65.0%と、4.4ポイントも減少という調査結果も報告されています(出典:美術系学生就職活動実体報告 2021/株式会社ユウクリ)。

 

そんな中、美大生が活躍できる職種「3Dモデラー」に注目が集まっているのはご存知でしょうか?

 

移り変わる就活事情。最新は「顔を出さない」?

就職活動において、会社説明会や面接はZoomなどを使用して行うことがごく当たり前となってきました。しかし企業側からは「対面で実施していた時よりも学生から質問が減った」などの声も出ています。説明会を例にあげると、話を聞いている側はミュートにしておくなどの対応が一般的です。また、参加者の顔がしっかり映っているため、大勢から視線が集まるような気分になることから「発言がしづらい空気」というものがあるのだと思われます。

 

そんな中、当メディアを運営する(株)エスユーエスでは新たな試みとして、当社技術で作成したバーチャル空間で実施する『バーチャルブース説明会』を開催しています。

 

「いったいどういうこと?」と思う方も多いかもしれません。これは、ゲームのように自分でアバターを操作し、バーチャル空間内を自由に歩き回ることができる説明会。空間内で学生同士での会話はもちろん、興味のあるムービーの再生や、実際にさらに360°動画の中に入り込んで職場での一日を視聴するといった体験ができるものです。

 


www.youtube.com

 

アバターは人型もあれば動物やロボットの姿のため、大勢の前で自分の顔を出す必要はありません。そのため、積極的に質問をするなどの参加しやすい雰囲気があり、実際に参加した学生のうち「とても満足した」という回答が61%で、「満足した」を合わせると96%にもなり、この試みは京都新聞でも「注目の取組み」として紹介されました。参加学生からは以下のような感想が寄せられています。

 

www.sus-g.co.jp

 

「実際にリアルで説明会に参加したような感じがした」

「フリータイムでは自分の見たいムービーや資料を見れたりするのが良かった」

「360°動画での職場体験は実際にオフィスに足を踏み入れた感覚だった」

「他の学生と会話したり、会社の方に個別で質問できるのが嬉しかった」

「アバターだとリラックスできるので、会社の説明も集中して聞けた」

 

「いつか想像した未来」は、すぐそばにきている

「バーチャル空間」と聞くと、ゲームや映画のような壮大な世界を想像しがちですが、エスユーエスの取組みのように、実は既に日常に多く取り入れられているのです。例えば、いち早く普及し始めている住宅やマンションの「VR内覧」ですが、『VR内覧をすればモデルルームの見学が不要な人は50.8%(出典:VR内覧を活用した住まい選びに関する意識調査より/スタイルポート)』と、その浸透度が伺える結果が出ています。

 

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「VR内覧ツールを見た後に、モデルルームに行く必要があるか」への回答 出典:スタイルポート




他にも、株式会社HIKKYが主催・運営する「バーチャルマーケット」は大きな話題にもなりました。バーチャル空間内でお客様はアバターを操作して自由に歩き回ることができ、バーチャルカタログを確認してショッピングを楽しむというもの。ウォルト・ディズニー・ジャパンやビームス(BEAMS)、大丸松坂屋百貨店など誰もが知る企業が出店し、国際的なVRイベント「VR AWARDS」ではマーケティング部門最優秀賞を受賞しました。またお客様は国内はもちろん世界中から来場し、2020年の開催分では100万人を超える来場者数を記録しているのです。

 

こういった特別なイベントのみならず、さらに日常に寄り添った「バーチャルオフィス」なども注目が集まっています。実際のオフィスをバーチャル空間上で再現し、アバターで会話などを行えるシステムです。

 

NECネッツエスアイ株式会社は、株式会社Synamonと協力し、「共創の推進」と「コミュニケーションの革新」を実現する新たな働き方の確立を目指して、バーチャルワークプレイスの共同実証を開始したとの発表がありました。

 

これによりZoomなどを活用するよりも、バーチャル空間の方がより仲間を身近に感じることができ、会社への帰属意識への高まりや働くモチベーションに効果があったのではないかと同社は報告しています。

 

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出典:NECネッツエスアイ株式会社 ニュースリリースより

このような取組みは年々急増しており、より私たちの日常やビジネスシーンを再現したVR活用が “当たり前”になっていくのは、そう遠くない未来でしょう。

 

急増するVR活用ニーズ、「3Dモデラー」の育成が急務に

このように、VR活用ニーズは急速に増えています。転職者向け求人サイト「リクナビNEXT」によると、WEBサイト制作・インターネット関連職の求人件数は、下記のグラフのように2020年6月では329件だったのに対し、2021年6月では984件と、約3倍にもなっていることがわかりました。

 

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これはDXや、Webを始めとするオンラインツールを活用した事業拡大を目指す企業が多いことの表れで、こういった流れは今後さらに顕著になっていくでしょう。エスユーエスとしても、今後の事業計画においてはAR/VR領域に注力していくことを当メディアでも何度かお伝えしていますが、やはりその成長のカギとなるのはバーチャル空間を想像できる優秀な人材を採用・育成すること。

 

しかしその採用が非常に難しくなっていくことが予想されます。そこで、エスユーエスでは下のグラフのように「美大生」の60%前後がクリエイティブ職でなく営業や販売・事務職で就職している現実から、新たに「美大生」の採用に踏み出すことにしました。これまでご紹介してきた各種バーチャル空間を主要な事業として確立すべく、「3Dモデラー」の採用・育成を活発にしていく狙いです。

 

Interview:VR事業って実際のところどうですか?

VR事業をさらに拡大させていくエスユーエス。当事業に関わる営業マネージャーの畑中さんと、プロジェクトリーダーの東條さんにお話を伺いました。

 

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左:畑中さん 右:東條さん

 

──VR市場の手応えはいかがですか?

 

畑中:私たちはこの1年間で30を超える学校の「VRオープンキャンパス」の制作を手掛けてきました。実際今も多くのお問い合わせをいただいています。それ以外にも、例えば大学で教授同士の会議や、ゼミ内でのコミュニケーションやサークル活動などにバーチャル空間を利用できないかというお話などがありますね。また、これまであまり興味を持っていなかった企業も会社説明会などの活用を前向きに検討していただけることが多いように感じます。

 

──やはりニーズは増えているんですね。

 

畑中:これまでVRというと、医療や教育など限定的な分野での活用が多数でしたが、今はより身近なシーンでも使われてきています。それと同時に、「どのようにDXを推進させていくか」が課題となっている企業も増えています。それにより、どんどんニーズは高まってきているので、これからもっと市場は急速に、より大きくなっていくという手応えを感じていますね。

 

──そのようなニーズの高まりを受け、エスユーエスでは「3Dモデラー」の採用に注力していくとお聞きしました。具体的な仕事内容はどういったものですか?

 

東條:バーチャル空間をつくるため、Blenderをはじめとするモデリングソフトを使用し、アバターや空間内の建物、またテーブルや椅子をはじめとしたオブジェクトを作成していただきます。現在当社ではBlenderを主に使用していますが、ソフトに制限はなくMAYA、3DS MAX、Cinema 4Dなど、モデラーの方が得意とするソフトを活用していただければと思っています。

 

──なんだか少し難しそうなイメージですね。

 

東條:バーチャル空間は、当たり前ですが実体を持った空間ではありません。ないものを創っていく必要がある。そのため、「想像力」はもちろん、「クライアントやディレクターの要望を汲み取る力」がとても大切になってきます。だからこそ当社の方針としては、基本的な3Dモデリングスキルはもちろんのこと、そのような素養を持つ人を育てていきたいという思いがあります。

 

──なるほど、技術だけでなくそういったコミュニケーション力が大事なんですね。

 

東條:ゼロからイチを作っていくには、どうしても曖昧なことしか言えない場面も多いんですよね(笑)。だから、そういう「まだないもの」を一緒に形にしていける人に来ていただきたいと思っています。

 

──そうですね。ぜひ「チャレンジしてみたい」という人に来ていただければ嬉しいですね!

 

さいごに

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出典:美術系学生就職活動実体報告 2021/株式会社ユウクリ


VR市場はこれから急速に伸びていくことが確実視されており、実際にニーズも急増しています。しかしそれに伴い、VRエンジニアやVRクリエイターなど新しい職種が必要とされるようになっていくことは間違いありません。今回エスユーエスが募集を始める「3Dモデラー」もその中のひとつ。先々確実にその担い手不足が予測される今、「美大生」というクリエイティブスキルのアドバンテージを活かしてこの業界にいち早く飛び込むことができれば、業界をリードするような活躍することも可能でしょう。ぜひ興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

(E-30!!!編集部)

 

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