エンジニアの最重要スキルは「学び続ける力」!?1日たった30分が最先端領域やリーダーへの道を拓く

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AIやIoT、VRといった新技術を活用したITサービスが次々と誕生する現在、当メディアの運営会社(株)エスユーエスでも、スキルを高めたエンジニアが次々と最先端領域やリーダー職へと挑戦しています。彼ら彼女らに共通するのは「エンジニアの仕事は学ぶこと」「今の自分が持っている技術だけで勝ち残っていくことはできない」という覚悟。ただでさえ忙しい中なのに、なぜ学び続けなければならないのか。「自主学習」と「年収や残業」との関係性をひも解きながら、エンジニアにとっての学びの大切さを解説します。

 
 
 

先端IT従事者とそれ以外のエンジニアの年収差は約221万円!

今現在、まったく勉強をしていないエンジニアであっても、うすうすは「今のままのスキルではヤバいのかも…」と思っているのではないでしょうか。パーソル総合研究所のITエンジニアの就業意識に関する調査によると、ITエンジニアのキャリア不安の1位は「自分の技術やスキルの陳腐化」46.5%、2位は「今の会社での給与アップ」45.9%、3位は「新しい技術やスキルの習得」43.6%。多くのエンジニアが将来に向けた自分の技術やスキルに不安を抱く一方で、収入を増やしたいと考えていることがわかります。単純な話ですが収入を増やすための手段の1つが、将来性の高い最先端領域への挑戦です。以下のデータをご覧ください。

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出典:IT人材白書2020|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

※先端IT領域=データサイエンス、AI・人工知能、IoT、デジタルビジネス/X-tech、アジャイル開発/DevOps、AR/VR、ブロックチェーン、自動運転/MaaS、5G

みずほ情報総研が2019年3月に発行した「IT人材需要に関する調査」の試算によると、2020年時点ではIT人材のボリュームゾーンは40歳~44歳のため全体的に年収がかなり高めにはなっていますが、先端IT従事者とそれ以外のエンジニアとの平均年収格差はなんと約221万円にもなるのです。

 

 

年収差は「学び」の差!先端IT従事者ほど学んでいる

いったいこの差はどこから来るのでしょうか。それは、明確に「学びの差である」と言えるデータがあります。以下は、先端IT従事者とそれ以外のエンジニアとの自主学習を比較したグラフになります。

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出典:IT人材白書2020|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

業務上の必要の有無にかかわらず先端IT従事者では4人中3人が自主学習を行っているのに対し、先端IT非従事者ではその数は5割に満たないという調査結果が出ています。

さらに細かく見てみましょう。

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出典:IT人材白書2020|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

先端IT従事者では64%の人が自主学習に一定以上の費用をかけていて、その月の平均額は1万2000円を超えています。対して先端IT非従事者では、7割以上がほとんどお金をかけず、その平均額は4000円を切っていて先端IT従事者とは約3倍の開きがあります。

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出典:IT人材白書2020|IPA(独立行政法人情報処理推進機構)

また、先端IT従事者の3割以上が週に「1~3時間未満」かけて学んでいるのに対し、先端IT非従事者の圧倒的多数が残念ながら「ほとんど勉強しない」状況にあるというデータもあります。週平均勉強時間で見ると、スキルアップにかける自己負担額と同じくその差は約3倍。つまり、先端IT従事者とそれ以外のエンジニアの約221万円の年収格差は、自主学習における3倍の差から生まれていると言えるでしょう。

 

 

ハイレベルで、忙しいエンジニアほど学んでいる

もちろん、そこまで最先端領域に興味がない方もいるはずです。それでもやはり「将来に向けて力をつけたい」「もっと面白いプロジェクトに携わりたい」「今より年収を上げたい」と思っているのではありませんか。もしそうなら、やはり学ぶ必要があります。以下は、経済産業省が2017年8月に公表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査」で分かった興味深い調査結果です。

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出典:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省
よりエスユーエスにて作成

まずは棒グラフに注目してください。これは、IT人材の1週間当たりの勉強時間を「スキル標準レベル別」に並べたものになります。レベル1の「新人・初級者レベル」の人材の勉強量が多くなるのは当然として、その後「若手」から「中堅」、「リームリーダー」とレベルが上がるにつれて1週間当たりの勉強量も明らかに増えていくのがわかります。

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出典:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省
よりエスユーエスにて作成

そして、年収別にみても、年収が上がるにつれ、おおむね勉強時間も長くなっていくのです。さらに、どちらのグラフを見ても、折れ線で示されている残業時間は「レベル」や「年収」と正比例しています。これらのデータからは、「忙しいから勉強できない」というのは言い訳に過ぎず、「忙しい人ほどよく学ぶ」という傾向があることもはっきりとわかります。

 

 

まずは1日30分!スキマ時間の学びを習慣化しよう

とは言え、「いきなり多くの時間を自主学習につぎ込むのはキツイ…」と思うのも当然です。では、まず手始めにどのくらいから取り掛かればよいのか。前出のグラフから導き出してみましょう。たとえば、「部下を指導できるチームリーダーレベル」の1週間当たりの勉強時間は1.8時間。これを平日5日間で達成するなら1日あたり36分となります。考えてみてください。これは朝晩の通勤電車でたったの15分ちょっとずつ、スマホで先端技術解説動画を視聴するだけでもよいのです。もしくは、30分で昼食を食べ終え、資格試験のテキストを開けたら最高です。もう少し頑張って週末に1時間プラスできれば、先端IT従事者の週平均勉強時間2.7時間もクリア。料理をしながら、洗濯物を干しながら、興味あるIT分野のポッドキャストを聴くところからなら、始められる気がしませんか?そして気分が乗ったなら、パソコンに向かってみればよいのです。

もちろん、社内外の勉強会や各種セミナーに参加するのも良い方法だと思います。週末の勉強会をマイルストーンに、平日のスキマ時間を活用して少しずつ自主学習を習慣化。興味がある技術が近いメンバーと情報交換し、励まし合いながらなら苦手な自主学習の壁も乗り越えられるかもしれません。

 

 

「未来を今にする」エンジニアだからこそ、学び続けなければならない

ITジャーナリストの牧野武文さんによると、一般の社会人が「今を今にする仕事」であるのに対し、ITエンジニアは「未来を今にする仕事」だといいます。「現在のテクノロジーを使って、どんな未来が実現できるかを想像し、それを形にする。」そんな仕事だからこそ、「常に新しいテクノロジーについて学んでおかなければならない。」のです。どうでしょう。納得感がありませんか。その代わりしっかり学べば、「IT業界だけでなく、社会全体で通用する知識が身につく。転職は容易になるし、IT業界以外への転職もポジションによっては可能になる。さらには、独立してフリーランス、起業という道も見えてくる」とも述べられています。

※「」内引用 「ITエンジニアの日常をささいな情報で彩るサイト『Geekroid』」より

「先端IT従事者ほどよく学ぶ」「ハイレベルなエンジニアほどよく学ぶ」「忙しいエンジニアほどよく学ぶ」そして、「学ぶ人ほど年収が高い」これらはデータに示された明らかな事実です。「生涯エンジニアとして活躍したい」「年収を上げて豊な生活をしたい」「より重要なポジションで面白い仕事をしたい」「フリーランスや起業など働き方の可能性を広げたい」そんな風により良い将来をつかみたいと思っているのであれば、まずは今すぐ1日30分のスキマ時間から学び始めてください。みなさんが就いているITエンジニアの最重要スキル、それは「学び続ける力」なのです。

 

(E-30!!!編集部)

 

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