『20代リーダー、駆ける!』Vol.1                                  24歳のときにVRIAでの講師に任命!目指したい姿を『公言』し、努力を重ねていました。

株式会社エスユーエス
事業開発部 
山口 智也(Yamaguchi Tomoya)

2020年4月入社。VRイノベーションアカデミー(VRIA)の1期生に選抜され、20名の同期と共に半年間VR技術を学ぶ。その後、学校紹介等の『VR動画』制作に携わるかたわら、昨年11月より事業開発部にて3Dモデラーとして活躍し、今年6月にはVRIAモデリング講座の講師を担う。

 

 

初めての「講師」経験で得た手応えと大きな刺激

―入社3年目、24歳という若さでVRIAの講師なんて、すごいですね!

入社1年目の10月からVRIA研修の一期生に選んでいただき、VR技術をひと通り学びました。そこで身に着けた知識・スキルを活かして今年6月、VRIAにて『3Dモデリング講座』の講師を務めさせていただいたんです。

3Dモデリングツール『ブレンダー』を使って、バスケットボールや椅子などの3Dアニメーションを作りながら、その操作方法を習得するVRの入門講座です。受講者は、エスユーエス2022年新卒入社の30名と外部から申し込まれた方2名。オンラインで1日あたり6時間×10日間みっちりと指導しました。

―手応えはいかがでしたか?

みなさん初日は苦戦していたのですが、日を追うごとにどんどん理解が早くなっていきました。私が準備してきた教材を早々にこなしてしまう方もいて、慌ててその場で次の課題を考えることも。講師としては嬉しい悲鳴です。

短い期間でしたが、受講者の方々のスキルアップが手に取るようにわかり、ワクワクするような手応えを感じました。

講師として実際に使用した教材

―山口さんご自身の学びになったことはありましたか?

ありました!モデリングもプログラミングと一緒で、最終成果物は同じでも、その工程は人によって全く異なります。さらに、私がこれから学ぼうとしている『レンダリング機能』をすでに使いこなしてよりリアルな3Dアニメーションを作っている方もいて、「そんなやり方もあるのか!」「負けていられない」と大いに刺激を受けました。

 

 

学生時代から思い描いていた未来を「公言」

―そもそも、いつVRに興味を持たれ、なぜエスユーエスに入社されたのでしょうか

専門学校でゲーム開発を学び、一番興味をひかれたのがAR/VRでした。ただ、ゲーム業界は求人倍率が高い上に給与が低いのを知り、視野を広げてIT業界全般を見渡して幅広く経験を積めるアウトソーシング企業を志望しました。なかでもエスユーエスを選んだのは、早くからAR/VRに力を入れていて、上場している安定企業だったから。入社後は半年間『ヒューマンスキル研修』を受講するかたわら、業務後には3Dゲームエンジン『Unity』とC#を独学していました。

―では、VRIA一期生選抜の話を聞いたときはどう思いましたか?

「絶対に選ばれたい!」の一心です。すぐに熱い想いをメールに書き綴って担当者に送信。その結果、大阪オフィスの希望者約20名のうち、私を含めて4名がVRIA一期生に選ばれたんです。すごく嬉しかったですし、当然、研修には真剣に取り組みました。人気分野であり競争相手は多いですから「人より1歩でも2歩でも抜きん出たい」という思いで、もちろん業務後の独学も続けました。

 ―それで研修修了時に「講師に興味がある」と担当者の方に伝えられたんですね。

学生時代のコンビニバイトでは、6年間ずっと新人教育に携わり、その成長に手応えを感じていました。だから、研修修了式で将来の方向性を聞かれたとき、「モデラーとしてトップエンジニアを目指し、人の育成の道に進みたい」と伝えました。

その後の1年間は、会社が受託した『VR動画』を手掛け、試行錯誤しながらもお客様の要望に精一杯応える多忙な日々。それでも、コツコツと独学を続けてモデリング技術を磨いていくうち、徐々にモデラーとしても仕事をもらえるようになっていきます。希望の業務に手応えを感じ始めていたある日、事業部長からVRIAのモデラー講師のお話をいただいたんです。「これはチャンス!」と飛びつきました。

 ―「チャンス」とは?

講師なんて、本来なら入社2年が経ったばかりの駆け出しのモデラーがもらえるような話ではありません。それでも会社は私に期待し、任せてくれようとしている。成功させればこの実績は、『私の希望する将来』へのステップになります。だから「チャンス」です。

 

 

プレッシャーと予想外の難しさも乗り越える

―準備など大変なことはありませんでしたか?

実は当時は、大手自動車メーカー系の不動産ディベロッパーと共同開発の大型案件を手掛けている真っ最中でした。モデラーとしても手腕を問われる『VRモデルルーム』制作でタスクは満載。しかし、講師をやるからにはそちらも絶対に手は抜けません。外部の方からは受講費もいただいていますし、「最低でもその元が取れる講座にしなければ…」とプレッシャーは大きかったです。

取り組んでいた不動産ディベロッパーでの大型案件

まずは会社にお願いして購入してもらった3冊の『モデリングの教科書』的なテキストを業務の合間を縫うようにして読み込みました。VRIA研修時にまとめていた資料を引っ張り出して、VRIA研修の講師の方にもアドバイスをいただきながら、6時間×10日分のカリキュラムを作っていきました。さらに、講師としての心構えや教え方のコツをYouTubeで学びました。

―講座がスタートしてからはいかがでしたか?

難しかったのは、進行スピードの調整です。オンラインカメラ越しの指導で、受講生32名全員は追い切れません。なかにはカメラをオフにしてしまう方もいて、最初のうちはツールの操作に行き詰っている方がいると気づかないまま講義を進めてしまうことも。それでも「わかりますか?」「できましたか?」と何度も声をかけて様子を確認するうちに状況もわかってきます。進め方を練り直し、操作方法の説明は必ず2~3回繰り返して行い、1回でできた方には応用課題を与えるようにして、徐々に講義のペースを作り上げていきました。

実際に使用した教材

―教材も講義を通じて変わっていったとか。

16時半に1日の講義を終えた瞬間には「もっとこう教えたい」と翌日の教材のアイデアが沸き上がっています。しかしその気持ちを抑えて、本来のモデラー業務に集中。18時で仕事を切り上げてから2時間程度、教材のブラッシュアップに没頭する毎日でした。

 

 

「チャンス」を掴み損なわない。そのために・・・

―講師経験はご自身のキャリアにとってどのような糧になりましたか。

講義形式で教えるという経験自体が何よりの宝となりました。実は私、若干あがり症で、1対1は平気でも大人数を前にするとしどろもどろになってしまうんです。入社後半年間の『ヒューマンスキル研修』でかなり鍛えられたのですが、それを初めて実践でやり切って大きな自信になりました。

さらに、時間のない中で必死に準備し、走りながら考え、すぐに試してみるというビジネスならではの濃密さとスピード感。想像だけでは分からない難しさや面白さを存分に体感できました。できれば、30歳くらいまでには人を育成する立場になりたいのですが、その一歩となる実績という意味でも、受講生以上に私自身が大きなものを得たような気がします。

―フリーランスも見据えていらっしゃるとか。

将来はフリーのモデラーとして案件を受けながら、教材コンテンツ販売をする計画です。会社にもフリーランスとしての働き方をサポートする制度があると知りましたし、叶わない夢ではなく、現実的な目標だと思っています。ただ、それはもう少し先の話。やはり会社に様々なチャンスをいただき、育てていただいたので、しばらくはその恩返しです。

―では、山口さんに続く方々へメッセージを!

自分のやりたい仕事が最初からできることはほぼありません。それでも、自分がどうなりたいかを『公言』し、覚悟を決めて目の前の業務から懸命に学びましょう。

私は周囲に希望を伝え、『VR動画』制作で必死に結果を出しました。だからこそモデラーの業務を徐々に任されるようになり、さらに講師役までいただけたと思っています。チャンスは突然やってきます。そのチャンスを掴み損ねないために、今の業務に本気で取り組む。それこそが今すぐ始められるキャリアづくりです。

(E-30!!!編集部)

 

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