今回は、エスユーエスで就業しているエンジニアが、どのようにして現在のキャリアに至ったか、そのチャンスを手に入れるためにどんな努力をしたのかをお伝えする企画になっています。
インタビューを行ったのは、入社2年半で憧れのゲームプログラマとなり、現在ソーシャルゲームプラットフォーム大手で人気タイトルの開発に携わる網島さんにインタビューを実施。どんな行動や努力、仕事姿勢が夢の実現を導いたのかを紹介します。
株式会社エスユーエス
関東第一ソリューション部 エンジニアリング課
網島 慧(Amishima Kei)
飲食店店長時代に給与計算アプリを開発したことを機に、ゲーム開発者を目指してエスユーエスへ。3年計画を周囲と共有して積極的にキャリアアップ
を図る一方、先輩に学びながら独自にゲームを作ってスキルを高めた。2年半で念願のゲームプログラマになり、ソーシャルゲームプラットフォーム
大手に就業。
夢の実現のために描いた「3年計画」
―現在の仕事を教えてください。
ソーシャルゲームプラットフォームの大手で、ゲーム開発に従事。就業5年目の現在は人気アニメタイトルを冠した10年続くロールプレイングゲームを担当しています。コンテンツそのものの開発に加え、イベントリリースの自動化等の作業効率化、オフショア開発の支援、コスト管理まで、幅広く任せていただけています。
―前職は飲食店の店長だったとお伺いしました。驚くような転身ですね。
そう思われますよね。でも実は、大学は情報系で、パソコンはどちらかと言えば得意な方。店長時代に会社からの要請で、給与計算用の勤怠管理アプリケーションを開発したことをきっかけに、モノづくりの面白さを実感したのです。「どうせなら大好きなゲームを作りたい!」と、30歳を目前に転職活動をスタートしました。
―どうしてエスユーエスを選ばれたのでしょう?
当時、ゲーム事業を展開していて、理系の素養がある実務未経者向けにプログラミングの職業訓練を行っているのがエスユーエスだったのです。『社会人学校』コンセプトを掲げ、エンジニアの成長支援に力を尽くしている会社だと知って、「3年計画でゲーム開発者を目指そう!」と入社を決めました。
―「3年計画」とはどういうことですか?
前職の店長時代から、3年後の自分をイメージして動くようにしています。今回も、「1年目に実務でシステムに関わりながら自ら勉強し、2年目には何かしらの開発業務に食い込んで、3年目が終わる頃にはゲーム業界でスタートラインに立とう」と道筋を立てました。職業訓練を担当してくださった上司の方や担当営業の方にも、その意志を共有しました。
順調なキャリアの影には、徹底的な自己研鑽があった
―では、その計画に沿って就業先も決めていかれたのですね。
そうですね。担当営業の方は、なるべく最短距離でゲーム開発者に近づけるような道筋を描いて就業先を探してくださいました。私自身も「この職場では学びきった」と感じたら、周囲に迷惑が掛からないタイミングで次の就業先へ移れるよう積極的に希望を出していきました。その結果、2社で実践的な経験を積みながら学び、入社1年3ヵ月後に3社目でいよいよ開発に従事。入社約2年半で、念願のゲーム開発に就くことができました。
―ほぼ計画通りですね!開発実務に就かれるまでの2社では、それぞれどんなことを学ばれたのでしょう。
1社目はある大手企業で、2万人規模の勤怠管理システムの運用保守に携わりました。エンジニアとしての初仕事だったので、システムの全体像からエンジニアの役割、実践的なコードの書き方、トラブル対応まで、すべてが学びでした。なかでも、常に業務フローを見直し、人の手が必要ない作業は徹底的に自動化を目指すという考え方は、現在のゲーム開発でも大切にしていることです。
次は中規模のシステム会社にて3ヵ月間、監視制御系システムの設計書や取扱説明書の作成や修正を行いました。誰にでもわかりやすい資料作りという意味で勉強になりましたね。
―その間、実務以外で学ばれていたことはありますか。
もちろんです!実は、入社後すぐ、職業訓練を担当してくれた上司に頼んで、エスユーエスのゲーム事業で実際に開発に携わっているゲームプログラマの先輩と会う機会を設けてもらいました。そこで話すうちに、先輩から「そんなにゲーム開発者になりたいなら、今すぐゲームを作り始めよう」と言われたのです。しかもその過程を先輩が指導してくれるということで、会社が用意してくれた研修スペースで月1~2回の勉強会を開いてもらいながら、ゲーム開発に取り掛かりました。
―実務以外で、独自にゲームを作っていたということですか?
そうです。平日は仕事から帰るとすぐにパソコンに向かい、休日もほとんどの時間をゲーム開発につぎ込んでいましたね。最初は流行りのWEBゲームの忠実な再現からスタート。生活費は削っても参考書代は惜しまずに、ひとつの言語につき2~3冊を買いあさって隅々まで読み込みました。学んだ言語はゲーム開発にも取り入れながら理解を深め、勉強会に持ち込んで先輩のアドバイスをもらいました。ダメ出しされては落ち込みながら、めげずに改善に取り組んで、少しずつ難易度の高いプログラミングにも挑戦しました。その自作ゲーム開発が、3社目の総合電機メーカーグループでの開発業務への就業へとつながったのです。
下流~上流までWEB開発を経験し、ついにゲーム事業へ
―世界規模で事業展開するグローバル企業ですよね。自作ゲームがどう就業へつながったのでしょうか。
担当営業の方がこの自作ゲームを企業に強力にアピールしてくれました。そして、ゲームをiPadにインストールして設計書とともに先方に見せ、開発実務経験はないものの、複数の言語を使ってゲームを作り上げる実力があると認めていただけたのです。入社1年3ヵ月、独学と先輩との勉強会のお陰で「開発業務に就く」という第一関門を突破できました。
ただ、やはり初めての開発は苦労の連続。遅れたスケジュールをチームの先輩に組み直してもらい、張り付きでフォローしてもらって何とか納品にこぎ着けるなど、かなり苦しい戦いでした。それでも必死で食らいついて基本設計、詳細設計、テスト等の下流工程を実践で学んだ1年を経て、4つ目のプロジェクトでいよいよ上流工程へ。2000人規模のプロジェクトで初めて要件定義から任されることになったのです。
―初めての要件定義はいかがでしたか。
大変でした。実は就業当初、私の自作ゲームの設計書を見たチームリーダーに、「これを100人に見せたら、100個同じものができますか?」と聞かれたことがあるのですが、要件定義から携わったこの開発で、その言葉の意味を痛感することになりました。たとえば、打ち合わせを通じてまとめた資料を、クライアントやエンジニアに渡すと「なぜこの順番で説明するのですか?」「この単語はどこから出てきたのですか?」といくつも疑問をぶつけられます。「自分の意図を伝えるのはなんて難しいんだ…」と落ち込むことも多かったです。それでも懸命に取り組み、試行錯誤の末なんとか要件定義をやり切ることができました。
―そしていよいよゲーム事業へ移られたのですね!
はい。勉強会をしていただいていた先輩には以前から「ゲーム事業に来い。充分に実力はある」と言われていましたが、ここにきてようやく私自身も「胸を張って行ける」と思えました。担当営業の方も同じように判断してくれて、ついにゲーム開発者としてのスタートラインに立てたのです。入社からちょうど2年半が経っていました。
先輩に受けた恩を、後輩育成で返していきたい
―実際にゲーム開発に従事してみて、いかがでしたか?
「こんなコードの書き方があるのか!」と自作ゲームとは段違いのクオリティに感動し、もっと力をつけたいと一心不乱に開発に臨みました。寝ても覚めても頭の中はゲームのことばかり。猛烈な忙しさに追いまくられていましたが、本当に充実した日々でした。
―ところが、半年でエスユーエスがゲーム事業から撤退することになってしまったと。
そうなのです。でも、実はそこまで落ち込んでいません。なぜなら担当営業の方が、現在の職場であるソーシャルゲームプラットフォーム大手への就業への道筋をつけてくれたからです。それは、飽和状態ともいえるゲーム業界で生き残っている企業の、プロフェッショナルが集まる職場へ行って、高度な技術やノウハウが学べるということです。正直ワクワクしました。実際、現在の職場に移るとさっそく1年目にして、今までにないゲーム開発の大きな手応えを感じられたのです。
―どんな手応えですか?
担当したのは、当時でも会員数400万人を超える人気タイトルで、まずその規模がスゴイ。さらに、開発チームで新たに作ったゲーム内イベントをリリースすると、会員数が一気に増加し、チーム全体が会社からMVPとして表彰されたのです。これこそ、「多くのユーザーが楽しめるコンテンツを作りだす」というゲーム開発者としてのやりがいだと思いました。
―念願だったゲーム開発者として現在就業5年目。この先はどんなことに挑戦したいと考えていますか。
プロジェクトの責任者を務めてみたいと思っています。また、ゲームそのものよりも、ゲームを動かしているシステムの方の開発に興味が湧いてきましたね。
一方で、エスユーエスの後輩育成に力を注ぎたいと思っています。実は、先輩と始めた勉強会は、会社のバックアップのお陰で10名、15名とメンバーを増やして継続中。今は、私が講師です。私も先輩と同じように、後輩たちの夢のために力を貸したいのです。
―それは頼もしいです!ぜひ、これからエンジニアを目指す方にメッセージを。
エスユーエスは、成長意欲の高い方々が集う会社です。まだ将来が見えていない方でも、志を同じくする仲間と一緒に学ぶうちに、自ら進むべき道を見つけることができるはずです。実際、私の勉強会でもゲームを入口に学ぶうち、WEBサイト開発や組込開発、AI・IoTなどへ興味が広がり、自分の進むべき道を見つけて、勉強会を卒業していく後輩がいます。それは私にとって、ゲーム開発に夢中な姿を見るのと同じくらいうれしいし、ぜひその道で懸命に努力してみて欲しいと心から思います。私以外にも頑張る人を応援してくれる上司や先輩、同僚、営業担当の方が、エスユーエスにはたくさんいますから!
自らの将来を具体的にイメージし、そこに向けて自ら働きかけ、動き続けることが、夢の実現に何よりも大切なのだと感じたインタビューでした。網島さんのこれからの活躍も楽しみにしています!ありがとうございました。
(E-30!!!編集部)