今回は、エスユーエスで就業しているエンジニアが、どのようにして現在のキャリアに至ったか、そのチャンスを手に入れるためにどんな努力をしたのかをお伝えする企画になっています。
インタビューを行ったのは、エスユーエスで働く中で、自らのやりたいことを発見した六本木さんにインタビューを実施。新卒で入社してから、先端技術を積極的に取り入れる有名ネット通販企業でECサイトの開発に携わる現在までの約5年間をご紹介します。
株式会社エスユーエス
関西第二ソリューション部 エンジニアリング課
六本木 優希(Roppongi Yuki)
ゲーム開発を専攻するも、やりたいことが決まらないまま2016年に新卒入社。先輩とともに学ぶ日々を通 じて進みたい道が明確になると、自ら希望し
て先端技術導入に積極的なネット通販企業へ。チームでのコミュニケーションを深めるにつれ技術力も高まり、現在はメインサイトのABテスト基盤設
計に従事。
「さまざまな職場で技術を磨いて将来を決めよう。」とエスユーエスに入社した
―現在の仕事を教えてください。
工具や資材等のネット通販の先駆けとなった有名企業の、ECサイト開発チームに所属しています。先端技術の手法を用いてサイトを改善していくことに熱心な企業で、昨年10月からはWEBマーケティング用ABテストの基盤開発を設計から一任されています。就業先プロデューサーと直接打ち合わせながら進める開発に、とても手応えを感じています。
―学生の頃はゲーム開発を学ばれていたそうですが、なぜエスユーエスでWEB開発に?
正直ゲームにそこまで夢中になれず、就活を迎えてもやりたいことが決めきれなかったんです。エスユーエスを選んだのは、そんな気持ちにピッタリな『社会人学校』というコンセプトがあったから。様々な職場で技術力を磨きキャリアパスを相談しながら、自分の将来を決めていくつもりでした。実際、採用面接の段階から自らを深堀するようなヒントをもらえて、入社時には「多くの人が使うWEBの開発がいいかな…」と、漠然とした方向性が見えてきていました。
―社会人としての一歩目でもある1社目の就業先はいかがでしたか?
まずは、希望するWEB系の中でも学校で学んだ言語が活かせ、全体像の把握に役立つ保守業務に就きました。しかし、わからないことが多く、別室で他業務に忙しい先輩には聞きづらい。独学では成果が出せないまま1ヵ月で契約終了になってしまいました。
―最初から順調というわけにはいかなかったんですね。不安にはなりませんでしたか?
すぐに担当営業の方が次の就業先を探すために動いてくれたので、不安になることはなかったです。ただ、自らの技術力不足は痛感して、エスユーエスの研修ルームで様々なWEB開発技術の本を漁って1ヵ月間集中的に勉強しました。すると、2社目も引き続き社内WEBシステム開発の業務を提示してもらえました。しかも今度はエスユーエス社員で構成される開発チームの一員としてのアサインだと聞き、ホッとしました。「先輩から学んでWEB開発の力をつけていけそうだ」と思ったのです。
夢中になって学んだドメイン駆動設計(DDD)手法をきっかけに将来を確信
―実際に就業してみていかがでしたか?
とても働きやすい現場でした。就業先は有名鉄鋼メーカーの技術開発を担う研究所。所属するチームは全社を結ぶ物流管理システムの開発を行っていて、私は主にそのWEBシステムの、一部のバッチ処理から担当しました。エスユーエスの先輩はとても気さくで、疑問点を聞けば丁寧に教えてくれました。帰宅後には1時間程の自己学習をして足りない部分を補い、月1度はエスユーエスでのJAVA勉強会にも参加して学んでいきました。
―今度は順調に技術を習得していかれたのですね。
はい。何でも相談できるチームの先輩や勉強会仲間の存在が大きかったです。特に1つ上の先輩とは、いつも技術の話で盛り上がっていました。なかでも、夢中になって学んだのがドメイン駆動設計(DDD)という手法。実際の業務ではまだ導入していない手法だったのですが、就業中も少し手が空けば自らのプログラムをDDDの考え方に照らし合わせて話し合ったり、先輩と一緒に帰宅する道すがら、ずっとDDDについて議論したり。電車の中では600ページ以上ある分厚いテキストを一緒にのぞき込み、スマホで関連サイトを見て学び合っていました。私が今の現場でECサイト開発に携わるようになったのも、この先輩と一緒に学んだDDDの手法がきっかけなのです。
―DDD手法を学んだという経験が今の現場に生きているのですか?
先輩と一緒に学んだあと私は、新たに任された生産管理システムの構築に、この手法を全面的に取り入れました。この研究所で働いた後半の2年間のことです。研究所の技術開発社員と私で直接打ち合わせを行い、何度も改善を繰り返しながら作り上げたのですが、設計段階からDDD手法を取り入れたからこそ、より満足度が高いシステムをスムーズに構築することができました。本当に面白く、手応えのある経験でした。これを機に技術習得への意欲に火が付き、「社内システムも面白いけど、もっと色んな技術・手法が次々に出てくるWEBサイト設計の分野で力を磨きたい」とはっきりと思ったのです。
―入社3年目にして進みたい道を確信できたのですね。それからどうされたのでしょうか。
チームのリーダーにその想いを打ち明け、WEBサイト開発に向けての勉強のアドバイスをもらいました。そして、平日は1時間、休日は3~5時間程度の自宅学習で、AjaxなどのWEBアプリ構築技術や、HTML、CSSといったWEBページを記述する言語を習得していきました。
一方で、リーダーから私の気持ちを聞いた担当営業の方もすぐに動いてくれて、次の就業先として、現在ECサイト開発を担当している工具・資材のネット通販企業を提示してくれました。しかも、過去にこの企業に就業したことのあるエスユーエス社員にわざわざ話を聞き、「自ら提案することを求められるハイレベルな現場」「新しい技術を貪欲に取り入れている企業」と具体的に勧めてくれました。相談してから半年という早さで、2019年4月に今の現場に移ることができました。
自らチームの輪に飛び込むことの大切を学んだ1ヶ月
―自ら希望した初めての現場ですね!
ECサイトはネット通販企業の事業の要。その開発を手掛けることに胸が高鳴りました。ただ、前の就業先と違って、今回エスユーエス社員は私一人。就業先の技術力の高いエンジニアが忙しく働く現場の様子に気後れしてしまい、疑問があってもなかなか周囲に聞けませんでした。一人で業務を抱え込んで、「わからないことは業務外の勉強で補うしかない…」と睡眠時間も削って自宅学習。それが裏目に出て、就業2ヵ月目に体調を崩してしまったのです。
―それは辛いですね。
やはり落ち込みました。ですが、担当営業の方が「現場のことは私に任せて、体調回復を最優先してくださいね」と言ってくださり、すぐに就業先への対応をしてくれて心強く感じました。さらに、少し落ち着いた数日後にも電話をもらい、「就業先のチームリーダーの方は、『自分で調べ、学ぶ彼の姿勢を評価しています。しっかり体調を戻してまた一緒に働きましょう』とおっしゃっていますよ」と、就業先の声も教えてくれました。担当営業の方と話すうちにどんどん心が軽くなりました。「もう一人で抱え込むのはやめて、前の職場と同じくらい周りに頼ろう。」自然とそう思えました。
―そこから働き方も変わっていったのですか?
はい。自分から進んでコミュニケーションをとり始めました。特に就業先のチームリーダーに対しては、過去に自分が携わった開発の話などをしながら進んで自己開示しました。すると、実はリーダーも私と同じような設計分野に興味があるとわかり、技術の話も雑談も楽しくなってきました。他のチームメンバーに対しても、リーダーから聞いたそれぞれの得意分野などをとっかかりにして話しかけていくと疑問点も快く教えてもらえて、効率的な仕事の仕方もわかり、技術への理解も深まっていきました。そして、就業1年半が経った昨年10月から、ECサイトのABテストの基盤開発を基本設計から任せてもらえることになったのです。
積極的にコミュニケーションをとるようになって、今の就業先が理想の職場に変わった
―それが、今とても手応えを感じていらっしゃるとお話されていた開発ですか。
はい。チームのプロデューサー、メンバー、他の部署の方々も含めて20~30名の方々と連携して、開発は絶賛進行中です。完成予定はいよいよこの3月です。GCPのクラウド上での開発は私にとっては初めての経験。業務を通じて新たな技術に触れる機会も多く、毎日が楽しいです。
―コミュニケーションをとるようになってからの成長が著しいですね。
その通りです。コミュニケーションして初めて「あの人がこの新技術で開発しているんだ」と気づけます。そうすると自分の開発の参考にもしたいから聞くし、もっと知りたくなります。だから、家に帰ってもいろいろ学んで、それをまた業務で実際に使ってみる。今は、自社チームで働いていた直前の就業先以上に現場に馴染めていて、様々な方が取り組んでいるいろんな技術に触れられています。自らコミュニケーションをとり始めたからこそ、今の職場が次々に学びたいことが見つかる理想の職場に変わったと実感しています。
―今も常に学び続けていらっしゃるんですね。
エンジニアとは学び続けることが仕事ですから!今はコロナで難しい面もあるんですが、エスユーエスのPython勉強会にも参加しています。ここで会う仲間からも、それぞれの開発の話を聞いて刺激を受けています。ただ、勉強会は月1開催なので、自分の学習ペースの方が追い越してしまうんです。だから、他のいろんな勉強会を覗いてみたりしていますね。
―それでは、エンジニアを目指す同世代の方々に向けてメッセージをお願いします。
私は、自分の将来を描けていない状態で入社し、いろいろな業務に携わる中で自分のやりたいことが明確になってきました。明確になれば担当営業の方が奔走してくれ、さらに技術を磨いていける環境を用意してもらえます。ただし、そのサポートを活かせるかどうかは自分次第。しっかり相談に乗ってくれる頼もしい先輩や担当営業の方のサポートを良い意味で最大限に利用して、一緒に思い描くキャリアを実現していきましょう!
周囲とのコミュニケーションこそが技術習得へのモチベーションを高め、キャリアを切り開く好循環を生み出す、と感じたインタビューでした。エスユーエスは、エンジニアのヒューマンスキルの向上にも力を入れています。そういった面に不安がある方も、ぜひご相談くださいね。
六本木さんのこれからの活躍も楽しみにしています!ありがとうございました。
(E-30!!!編集部)