「未経験でも上流までの開発経験を段階的に積める場を作りたい。」データ整理要員からアプリ開発者になったエンジニアの思いに迫ってみた。

今回は、エスユーエスで就業しているエンジニアが、どのようにして現在のキャリアに至ったか、そのチャンスを手に入れるためにどんな努力をしたのかをお伝えする企画になっています。

インタビューを行ったのは、19歳でエスユーエスに入社し、自ら学び、現場で結果を出し続けることで自ら望んだ将来を掴むだけではなく、後輩へも道を開いた藤﨑さん。どんな行動や努力、仕事姿勢が夢の実現を導いたのかを紹介します。

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株式会社エスユーエス
関西第一ソリューション部 エンジニアリング課 
藤﨑 拓哉(Fujisaki Takuya)

19歳で入社し、ハードの検査に従事した際に「アプリ開発者になりたい」と確信。自己学習でJavaスキルを磨く。開発現場にデータ整理要員として入り込み、任された仕事で結果を出し続けることで自ら望む将来を掴んだ。現在は、現場リーダーとして後輩をフォローしつつ、新たに上流開発へと挑戦している。

 
 
 

1社目で大炎上中のプロジェクトに参画し、チームで働く喜びを知った

―現在はどんなお仕事をされていますか?

一部上場システム会社のグループ企業で、公共サービス支援システムのWEBアプリ開発に携わっています。5年以上プログラマとして詳細設計からテストまで携わってきましたが、今年に入って上流工程の基本設計から任されるようになりました。

―エスユーエスには実務未経験で中途入社されたそうですね。

はい。私が高校生の頃、スマートフォンが爆発的にヒットし「僕もアプリを作ることができたら稼げるかも?」とITに興味を持ちました。その後、フリーターを経て職業訓練センターでJavaでのアプリの開発を学び、19歳でエスユーエスへ入社しました。「未経験でいきなり開発業務に就くのは怖い…」と不安がる私に、担当営業の方が勧めてくれたのはスマホアプリのテスト業務。「アプリの仕組みを考えながらテストに臨むと開発の勉強になるよ」という言葉を胸に、就業初日を迎えました。

社会人の第一歩ですね。実際就業してみていかがでしたか?

それが…プロジェクトが大炎上中だったんです。2ヵ月後の納品日に向け、何日も泊まり込んでいる開発者。20名程のテストチームの面々も必死の形相で、ときに怒号も飛び交う現場。一気に緊張が高まりました。それでも、チームリーダーの方が手取り足取り仕事を教えてくれました。順調に進んでいれば褒めてくれ、業務量の多さに四苦八苦していると飛んできて自ら業務を巻き取ってくれる。常にメンバーに目を配り、適度に休憩をとらせたり、ちょっとした一言や雑談で場を和ませたり。頼れるリーダーのお陰でスグに現場にも馴染め、本当にチーム一丸となって2ヵ月間を駆け抜けました。

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―それは良い経験をされましたね。

そうですね!全テスト工程を終えた瞬間、肩を叩き合って「よっしゃー焼肉やー!」と大盛り上がり。チームで働く喜びを感じました。体力もあり、多少の無理は利く若いうちに大変な思いをしてやり切る経験ができたのも大きな収穫です。「あんなきつい現場をやり切ったやん!」と、今でも苦しいときの支えになっています。

 

 

2社目でハードも経験し、アプリ開発に就きたい想いが強くなった

いよいよ2社目の就業先。今度はソフトではなくハードの検査業務だったそうですね。

大手企業の工場での、電源装置やバッテリーの検査業務です。担当営業の方に「ソフト希望で入社してハードの面白さに目覚める人もいるから、一度経験してみたら?」と助言されてやってみようと思いました。1社目と違って残業や休日出勤が一切ないというのも魅力的。実際に入ってみると、チームメンバーも温かい人ばかりで、とても働きやすい職場でした。

ただ半年もすると「やっぱりアプリ開発がやりたい」という想いが明確になってきたんです。そこで、定時に帰宅できる平日は基本情報技術者資格の勉強、さらに土日にはJavaでスマホアプリを作り始めました。

自己学習を始められたのですね。アプリは実際に完成させられたのですか?

いくつも完成させました!たとえば家計簿アプリとか、喫煙管理アプリとか。難しかったのはゲームアプリ開発ですね。日曜日の朝起きてタブレットに向かい、思うようにキャラが動かなくてネット検索でやり方を調べているうちに気づけば夕方…ということがしょっちゅう。夢中で取り組むうちにますます開発への想いが募りました。

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 ―営業の方にも相談されたのですか?

もちろんです。すると、今の現場で私のモチベーションが下がらないように毎週のように連絡をくれ、様子を聞いて励ましてくれる一方で、Javaでの開発業務を懸命に探してくれました。ただ当時、未経験から入れる開発現場は少なく、なかなか次の就業先は決まりませんでした。1年が経った頃、やっと「開発の末端のデータ整理の業務なんだけど、取り組み方次第で開発業務への道が開ける可能性もあるから挑戦してみない?」と現在も就業するシステム会社を紹介されました。最初にもお伝えしたのですが、いきなり開発職に就くことに不安を感じていた私にとって、末端から入った開発現場でステップアップを目指せるというのは願ってもない働き方です。このチャンスにかけようと就業を決めました。

 

 

3社目でデータ整理業務で開発現場のスタートに立った

―どのように取り組まれましたか?

「この業務で認められて、必ず次のステップに進もう!」と、正確さ、効率、スピードを意識して取り組みました。すると目論見通り、3ヵ月後には自ら整理し終わったExcelデータのデータベース化を任せていただけることに。使用言語SQLは名前を聞くのすら初めてでしたが、チームの先輩たちに聞きながら、自ら購入したテキストを片手に未知の言語と格闘しました。行き帰りの電車ではSQLの説明動画を見まくり、家に帰ればその日の業務の復習。頻繁に連絡をくれる担当営業の方にも励まされながら、とにかく今の業務で結果を出そうと必死で向き合いました。そして、ついにデータベースが組みあがると「じゃあ、本体のWEBアプリ開発に挑戦してみる?」と言われたのです。

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―就業半年で、とうとうJavaの開発業務にたどり着いたのですね!

そうなんです!自分ひとりでスマホアプリを作っていたときとは違って、チームでプログラムを組んでいくということが新鮮でした。他の人のコードを見て「こんな関数あるんや!」「すごいメソッドや!」と感動することも。難問にぶつかっても、「絶対にあきらめない」と必死で向き合って、プログラミングスキルを高めていきました。仕事のレベルが上がるたびに、担当営業の方が就業先と交渉してくれて、昇給が叶ったのも大きなモチベーションになりました。

―さらにエスユーエスから後輩も入り始めたそうですね。

はい。ちょうど開発に移った頃に初めて後輩が入り、私自身がプログラマとして独り立ちすると、その指導にも取り組み始めました。徐々に、担当営業の方から「経験浅めの新人がいるんだけど、できそうな仕事ある?」と相談を持ち掛けられるようになる一方、就業先の上司からは「藤﨑さんが指導してくれるなら、未経験でもOKだよ」と信頼していただけるまでになりました。そして、担当営業の方と一緒になって就業先に人材の提案を持ちかけていきます。経験が浅くても開発を学べる現場としてメンバーが増えていき、エスユーエスチームとしてプロジェクトの一部を任されるようになった3年目、自ら手を挙げて現場リーダーになりました。

 

 

3社目でリーダー候補の育成に成功し、開発者として上流工程に挑戦

25歳でリーダーというのはかなり早い方ですよね。なぜ自ら現場リーダーになろうと?

現場リーダーは手当が付くんです(笑)。それよりやはり、最初の就業先でお世話になったチームリーダーのように、メンバー同士が気兼ねなく本音で話しながら、より良い仕事ができる環境を作っていきたいと思ったのが大きいですね。メンバーの不満を聞いたり、一緒にご飯を食べてコミュニケーションを深めたり。もちろん、業務の指導も行って、後輩たちも頼れるプログラマへと育っていってくれました。

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―リーダーとして順調にチームを率いたのですね。

ところが、経験ゼロの新人ばかりが次々に入ってくるようになると、開発の合間での指導が難しくなってきました。本当は横でフォローしながらSQLもJavaも少しずつ経験させてあげたいけど、就業先のから求められるパフォーマンスを出すためには新人にはとりあえず簡単な仕事を任せておくしかない。でもいつまでもそれでは、新人のためにもチームのためにもマイナス…そんなジレンマの中、あるとき4名の新人を一気に受け入れることになります。そのサポートに追われ、とうとう自らの開発業務が回らなくなってしまいました。

―それでどうされたのですか?

担当営業の方にありのままを打ち明けて相談しました。すると「一人で抱え込まず、次のリーダー候補を育ててください」と言われました。そこで、すでに独り立ちしている後輩たちに状況を説明して、自らの業務知識や今までの指導方法を展開します。それをもとに新人の育成やサポートをお願いしたいと頭を下げると、後輩たちは快く新人の世話役を引き受けてくれました。やがて、指導する方もされる方も想像以上に力を伸ばして、少しずつチームでの育成と開発がうまく回り始めます。私は後方でのフォロー役に徹することができるようになった今、新たなプロジェクトで初めて上流工程を任されることになったのです。

―開発者としてさらにレベルアップされたのですね。上流工程はいかがですか?

エンジニアではないお客さまにもわかりやすい説明資料を作らないといけないのですが、これがプログラム言語より難しいです。日本語の学び直しが必要ですね。でも、せっかく上流工程を任せていただけるところまで来たので、ここでしっかり結果を出して、ゆくゆくはエスユーエスチームでプロジェクトを丸ごと請け負えるような形を目指したいです。未経験者がゼロから段階を追って上流までの開発経験を積めるような場をつくれたら最高です!

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素晴らしい目標ですね!それでは最後に、エンジニアを目指す方へのメッセージをお願いします!

未経験の方や開発経験が浅い方は、最初はすごく不安だと思います。私がそうでした。でも担当営業の方や周囲の先輩方がきちんと相談に乗ってくれますし、なるべく希望に沿った働き方ができるよう一生懸命動いてくれます。私自身も、エンジニアがしっかりと力をつけていける環境を作りたいと思っています。自ら学ぶ姿勢を忘れず、挑戦してみてください。

 

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任された仕事でしっかりと結果を出すことで、自分自身の将来はもちろん、後に続く後輩の道も開いてきた藤﨑さん。上流開発者としてもリーダーとしても、ますます活躍されることを楽しみにしています!ありがとうございました。

 

(E-30!!!編集部)

 

 

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