28歳フリーターが目指した“市場価値の高いエンジニア”。7年経った今、その夢は叶ったのか。

今回は、エスユーエスで就業しているエンジニアが、どのようにして現在のキャリアに至ったか、そのチャンスを手に入れるためにどんな努力をしたのかをお伝えする企画になっています。

インタビューを行ったのは、フリーターを経て28歳でエスユーエスに入社し、汎用系システム開発の現場でコツコツと身につけた実力をベースに、オープン系へと転身して活躍する髙野さん。どんな行動や努力、仕事姿勢が夢の実現を導いたのかを紹介します。

f:id:SUS_OMR:20210520113539j:plain

株式会社エスユーエス
関東第一ソリューション部 エンジニアリング課 
髙野 剛(Takano Tsuyoshi)

フリーター時代に独学でTOEICの点数を900点まで上げ、基本情報技術者も取得して28歳でエスユーエスに入社。汎用系システム開発の現場でテスト業務からコツコツと積み上げるかたわら、勉強会での学びや独学を継続して2年半前にオープン系へと転身した。今は得意のJavaと英語を武器にSEとして活躍中。

 
 
 

28歳でフリーターを卒業。入社3ヵ月で上級Java資格「Gold」を取得

―現在はどんなお仕事をされていますか?

大手電機メーカーグループの総合情報サービス企業で、生産管理システムの開発・保守・運用を行っています。3年目の現在は、要件定義からコーディング、リリース後の保守まで幅広く担当。海外拠点のメンバーとのやり取りも多く、英語での会議やメールでのやり取りも日常的に行っています。

―英語が得意なんですね。それは学生時代からですか?

いえ、フリーターをしていた25歳の頃に「インターネット上の全情報の8割は英語」という話を耳にして、独学で学び始めました。最初に腕試しに受けたTOEICは400点いかないレベルでしたが、アルバイトの合間に3年間コツコツと学び続けて最終的には900点まで点数を上げました。

f:id:SUS_OMR:20210520115232j:plain

―独学でTOEIC900点!かなり努力されたのですね。

一つのことを黙々と追求するのは割と得意な方かもしれません。ITの道を選んだのも、この性格が活かせそうだと思ったからです。自分の時間を切り売りして何も残らないようなフリーターの働き方にうんざりし始めていて、「エンジニアなら、知識や技術を積み上げて自分自身の価値を上げていくことができるはず」と考えました。そこでまずは基本情報技術者資格を取得してからエスユーエスを受け、「社会人学校」コンセプトにも惹かれて入社しました。

―入社後3か月間は研修を受けられたそうですね。

担当営業の方に実務未経験でも入りやすい保守運用系の就業先を探していただきながら、プログラミングを学びました。給料をもらって勉強できるという状況がありがたくて、講師の方に積極的に質問をしたり、一緒に学ぶ人たちと勉強の内容を共有したりしていました。1ヵ月目には中級者向けのJava資格「Java Silver」、3ヵ月目には上級者向けの「Java Gold」も取得しました。短期間でスキルアップを叶えたことで、担当営業の方も就業先探しを開発系業務へと方向転換してくれ、大手製鉄メーカーの情報部門にて、生産管理システムの開発に携われることになったのです。

 

 

テスト仕様書の作成から任されるものの「書けないっ!」

―さっそく自身の価値を高められたのですね!初めてのITの仕事はいかがでしたか?

PL/Iを使った汎用系システムの保守開発チームに所属することになり、まずは先輩が作成した仕様書に沿ってシステムの単体テストの実行から挑戦することになりました。あちこちで手間取りつつも、先輩に助けてもらってなんとか無事にひとつ目のテストを完了しました。さらに同様の経験を重ねていくうちに勝手もわかり、ひとりでもスムーズにテストを実行できるようになり、半年が経った頃、いよいよテスト仕様書の作成から任せていただけることになりました。

f:id:SUS_OMR:20210520113704p:plain

―ここでかなり落ち込んだのだとか…?

はい、それが全然できなかったのです。丸1日パソコンに向かっても3行書けるかどうかという状態で…。先輩の書いた仕様書を参考にしたり、ネットで検索したりして、残業もしながら数日粘ったものの、とうとう上司から直接「どうも難しそうだね」と言われてしまいました。結局、仕様書は他の方に作っていただくことになり、私は再びテストの実行へ逆戻り。「これでエンジニアとしてやっていけるのだろうか…」とかなり落ち込みました。

 ―どうされたのでしょうか?

就業先のチームの先輩に気持ちを打ち明けました。すると先輩は快く話を聞いてくれるだけではなく「勉強会をやろう!」と提案してくれ、さっそく週1回、多い時には週3回も改めて学ぶ機会を設けてくれたのです。毎週、日々の業務でぶつかった疑問をまとめて勉強会に持ち込み、先輩に指導していただきました。その間にもデータ移行作業に携わったり、テストの仕様書作成にも再チャレンジしたりしながら、並行してその考え方やコツを教えてもらうことでシステム全体への理解が深まっていきました。

―勉強会が成長の大きなきっかけになったんですね!

はい!勉強会の資料を通じてテスト技術者の認定資格があることも知りました。勉強会のお陰で、2年目にはすでにテスト仕様書だけでなく、開発の詳細設計書も手掛けられるようになっていましたが、それでもその資格の取得を目標に掲げました。1ヵ月程集中的に試験勉強に臨んで合格すると、初めて「僕もITの世界に入れたんだなあ…!」と実感することができました。

 

 

勉強会や資格取得でスキルを上げ、3年目で上流工程へ

この頃からエスユーエスのゲーム開発勉強会にも参加され始めたそうですね。

当時、私が実務で関わっていた汎用系システムというのは、言語も開発手法も完全に確立されたある意味で古い開発分野。だからこそ、最先端の分野にも触れておきたいと考えていました。実際、次々に新しい手法を取り入れていく開発に、参加するたびに自分がアップデートされる感覚がありました。さらに、勉強会のメンバーから様々な現場、開発の話を聞いて視野が広がり、「僕もいつかは研修で学んだJavaを使って新しい分野の開発をしてみたいなあ」という想いも湧いてきました。そのためにも今は、目の前にある実務で力をつけていくしかないと改めて思いを強くしました。

f:id:SUS_OMR:20210520115354j:plain

そんな実務では3年目を迎え、いよいよ上流工程にも挑まれたんですよね。

はい。知識と経験が積み上がり、打ち合わせでも自ら発言するようになると任せてもらえる範囲が広がり、小規模な案件では要件定義から運用テストまでを全て担当するようになりました。ただ、先輩の指示に従えばよかった下流工程とは違い、自ら全行程をスケジューリングして進める業務に苦戦しました。

―どのあたりが難しいのでしょうか。

1日あたりの作業量を見積もることが苦手で、日が経つごとにあふれた業務をこなすことに手一杯になっていってしまうのです。そうなると必死に残業して遅れを取り戻すしかありません。それでも、そのときの状況や反省点を細かくノートに残して振り返ることで、次の案件で同じ失敗を繰り返さないようにしながら、少しずつでもスケジューリングの精度を上げていくよう心掛けましたね。

手応えを感じた開発はありますか?

開発全体を手掛けるようになると、「こうしたらミスが減るのでは?」「こんなツールがあったら便利では?」と気づくようになりました。そこで、自ら率先して各種定例作業や汎用機へのファイル送受信を自動化するツールなど作成してみました。直接的な生産管理システムの開発ではありませんが、それによってチームの開発工程全体の大幅な効率アップを図ることができました。この過程で新たにExcelVBAにも詳しくなり、周囲のメンバーから頼りにされることも増えて、エンジニアとしての自信もつきました。そんな4年目に、担当営業の方から現在の大手電機メーカー子会社での就業を打診されたのです。

 

 

何気ない会話から生まれた“オープン系”キャリアへの転身

―オープン系への転身となる打診ですね。どう思われましたか?

実は、私自身「いつかJavaを…」と思ってはいたものの、はっきりと営業担当の方に希望を伝えたことはありませんでした。それでも、営業担当の方は「使用言語は資格をお持ちのJavaで、海外とのやり取りで英語も活かせて、髙野さんにピッタリの仕事だと思います!」と勧めてくれました。エスユーエスの忘年会やBBQ大会などでの何気ない会話を覚えていて、実務での努力などもしっかりと見ていてくれたのだと感じました。

多忙な現在の就業先から抜けることへの申し訳なさを感じる一方、やはり時代とともに需要が減るであろう汎用系から、より新しい分野であるオープン系への転身にはとても魅力を感じ、「せっかくいただいたチャンスに飛び込もう!」と現在の就業先に移りました。

新たな分野の開発で、Javaも実務で使うのは初めてだったと思います。苦労はありませんでしたか?

開発の分野は違っても、ユーザーの要件を聞いてそれを実現することに関しては同じです。Javaは入社後の研修で身につけてから使用する機会はありませんでしたが、ゲーム開発の勉強会で同じオブジェクト指向言語のC#を使っていたこともあって、まったく苦労することなく、開発に入ることができました。

f:id:SUS_OMR:20210520115414j:plain

―現在の職場で3年目を迎えていらっしゃいますが、手応えはいかがですか?

大手電機メーカー子会社の最新の開発環境の中でレベルの高いエンジニアに囲まれて学ぶうちに、Javaを得意言語と言えるまでになりました。少人数のチームのため、要件定義から幅広い業務に挑戦させてもらえ、とても恵まれていると感じています。また、海外拠点のメンバーとやり取りしながら開発を進めているので、初めて英語が実戦で役に立っています。エスユーエスに入社してからも、できるときには平日1時間、休日は2時間程度時間を使って英語力を磨き続けてきた甲斐があったと感じています。

時間の切り売りではなく、着実にご自身の価値を高めていくような働き方ができているのではないでしょうか?

そうですね(笑)!入社前に思い描いていたような働き方ができていると感じていますし、今後もさらにエンジニアとしての力を磨いていきたいです。今は、業務で使っているLinuxをより理解するために、資格取得に向けての勉強を頑張っています。また、週1回の定例会議でももっと発言したいので、これから英会話も始めるつもりです!

―では、これからエンジニアを目指す方にメッセージをお願いします。

新しい技術が次々と出てくるIT業界では常に学び続ける必要がありますが、それが必ず自分の価値を高めることに繋がります。幸い、エスユーエスにはたくさんの勉強会があって、一緒に学ぶ仲間がいます。会社自体も4年前に上場し、とても勢いがあって「成長していく組織の一員なんだ」と感じられます。今よりも上を目指し、成長することにワクワクできる方にはピッタリの環境があると思います。

 

● ● ●

 

日々の小さな積み重ねが市場価値を高め、やがて大きな力となって花開く。エンジニアという仕事の面白さを改めて感じたインタビューでした。髙野さんのこれからの活躍を楽しみにしています!ありがとうございました。

 

(E-30!!!編集部)

 

 

ページの先頭へ
ページの先頭へ