今回は、エスユーエスで就業しているエンジニアが、どのようにして現在のキャリアに至ったか、そのチャンスを手に入れるためにどんな努力をしたのかをお伝えする企画になっています。
インタビューを行ったのは、新卒入社すぐに開発業務に従事し、短期案件を通じてプログラマとして高めてきた実力を就業先に認められて、この4月から上流SEとしてITコンサルティングにも挑む森脇さん。どんな行動や努力、仕事姿勢が夢の実現を導いたのかを紹介します。
株式会社エスユーエス
東海第一ソリューション部 エンジニアリング課
森脇 遊(Moriwaki Yu)
新卒入社後すぐにSIベンダーにて開発に従事。様々な開発環境・言語を使った短期案件を次々に手掛けて着実にスキルを高め、3年目にはチームのサブリーダーとして後輩育成にも挑戦した。今年4月からは2年に渡る新規プロジェクトの上流工程に携わり、クライアントへのコンサルティングから任されている。
新卒で希望のオープン系開発に就けたけど、プロジェクトは大幅遅延中で大忙し
―現在はどんなお仕事をされていますか?
新卒で入社以来ずっと同じSIベンダーへ就業しています。5年間同じチームで最長3ヵ月程度の短期案件に臨んできましたが、この4月から2年に及ぶ長期の新規プロジェクトに参画することになりました。開発するのは、金属加工メーカーの受発注管理システム。私自身はサブリーダーとして、最大13名程度まで拡大予定のチームをまとめることになっています。
―エスユーエスへの入社動機を教えてください。
高校時代から情報技術を学び、実践的な技術が身につく4年制のIT専門学校に進みました。そこで大学の講義も併修して理論も習得し、専門学校と同時に大学も修了。合格率20%といわれる高難度の応用情報技術者資格も取得しました。その成果を活かし、地元名古屋で安定して働きたいと、会社規模も大きなエスユーエスを選びました。全国に支店があり、万が一どこかに引っ越したいと思った時にも、転職することなくエンジニアを続けられるということも魅力でした。
―新卒入社だとシステムの保守運用を学ぶところからスタートする方も多いと伺いましたが、森脇さんはすぐに開発業務に就かれたそうですね。
はい。学生時代に身につけたスキルや資格取得の実績、初対面でも臆せず自分から会話できるコミュニケーション力を評価していただき、現在も勤務するSIベンダーにて、製造業の生産管理システム開発チームに入ることが決まりました。オープン系の開発は、学生時代の勉強を直接活かせる希望通りの分野だったので、期待が高まりました。
ただ現場に入ると、すでにプロジェクトの進行が大幅に遅れていて、先輩たちは差し迫った納期に向けて必死に作業中。私も即戦力となることが期待されましたが、詳細設計書を読むのも初めてなら、開発言語のJavaScriptも使ったことがありませんでした。
―大変な状況ですね。どうされたのでしょうか?
やるしかなかったです。言語が違っても考え方は応用できるので、学校での学びを総動員して、先輩の指示を聞き漏らさないよう必死に耳を傾け、詳細設計書を何回も読んで、つまずいたらネット検索、それでもわからなければタイミングを見計らって先輩に相談することの繰り返し。新しい知識をどんどん詰め込んで・・・さすがにあのときは、38℃を超える知恵熱が出ました(笑)。その分、納品できた時の達成感は大きかったです。
目の前の短期開発案件を着実に積み上げ、実践で力を磨くスキルを身につけた
―そこから様々な言語でいくつもの開発を手掛けていかれていますね。
JavaScriptを始め、C♯、HTML、CSS、C++、C++/CLI 、SQLと様々な言語で、1~2ヵ月の短期案件に挑みました。どれも決して簡単ではありませんでしたが、まずはテキスト片手に先輩たちの書いたコードを真似るところから始めました。「なんでこんな風に書いてあるんだろう」と考え、実際に先輩にも聞いてました。わからないところがあれば素直に周りを頼って、助けてもらってましたね。
―仕事中以外に自宅などで学ばれたりはしましたか?
いいえ。私は、プライベートは仕事以外で充実させたいんです(笑)。土曜日はサーフィン、日曜日は取り溜めした録画を見たり、ゲームをしたり。その分、業務中は本気で学びますよ。テキストも熟読して、調べて、何度でも先輩に聞いて、たとえ難題にぶつかっても解決できるまで諦めません。
―実践によって成長されてきたのですね。ちなみに、エスユーエスの勉強会には参加されましたか?
入社すぐからC♯勉強会に参加しました。実は、C♯は学生時代に専門的に学んでいた言語で、割と早い段階で「森脇くんは勉強することないよ」と講師の方に言われたのですが、他社に就業しているメンバーと色々話せるのが楽しいので、途中から教える側に回って、今でも通い続けています。
―人と話すのが好きなのですね。
好きですね。私の場合、モチベーションアップもスキルアップも周囲の人とのコミュニケーションがあってこそ。エスユーエスの忘年会にも出席率100%で、レクリエーション用のビンゴアプリ作りなんかも引き受けています。開発チーム内でも、周囲にあらゆる話題を振ってみんなが楽しく仕事ができるように心がけていますし、先輩が手掛けている業務にも興味をもって積極的に話を聞きます。そんなコミュニケーションをきっかけに仕事の範囲が広がることもあり、1年半が経つ頃には見積り、設計、実装、テストまでを一通りできるようになりました。入社以来7~8件の開発を手掛けてきて、プログラマとしての自信もついてきました。
初めての後輩指導に試行錯誤した3年間
―そして迎えた3年目にはチームのサブリーダーへ。エスユーエスからは新人を預けられ、部下指導にも力を尽くされてらっしゃるんですね。
はい。担当営業の方から「新人を森脇さんの下に入れて、チームを拡大したい」という相談を受け、実際にエスユーエスからほぼ未経験の方が私の下に配属されました。ただ、指導ではかなり苦戦しました。私自身は、かなり細かく説明しているつもりなのですが、それでも途中で手が止まってしまう。「新人がどこに困っているのかが分からない」と頭を抱えました。
―どうされたのですか?
新人たちに「僕はまだ現場リーダーになったばっかりで、教え方もあまり上手じゃないと思う。申し訳ないけれども、こういう教え方の方が分かりやすかったとか、これはわかりにくいとかみんなの方から教えて欲しい」と伝えました。そのうえで、新人の仕事への取り組み方や周囲との会話を観察したり、ネット上にあるタイプ診断みたいなものを利用して一人ひとりの傾向を分析し、どんな教え方が効果的かを検討。理論の根本から教えたり、パターン化して教えたり。あとは、「困った時はとにかく周りに頼ってね。」と伝え続けました。
―周りを頼れない人が多いんでしょうか?
私自身は、新人の頃から露骨に頭を抱えたり、うんうんうなって、先輩に「わからないアピール」をしましたし、率直に「教えてください」と頼っていました。でも、周囲に言えずに、自分で解決しようと抱え込んでしまう人が多いみたいですね。今日も、「新人は間違えるのも仕事のうちだし、その尻拭いをするのは先輩の仕事なんだから、もっと頼っていいんだよ」と言ってきたところです。ただ、そうは言ってもなかなか難しい面があると思うので、常に「大丈夫?」「どこまでできた?」と話しかけて状況を確認したり、雑談ついでに質問しやすい雰囲気を作るように心掛けています。
―その後、新人の方の成長はいかがでしたか?
メキメキと力をつけて戦力として活躍してくれていますよ。今では自分からどんどん仕事を取りに来てくれる頼もしい後輩です。
就業先からオファーをいただき、コンサルティングからを担う上流SEへ挑戦します
―スキルアップしつつもずっと下流工程に携わってきて「早く上流に行きたい」みたいな焦りはなかったのでしょうか?
プログラマで終わらず、上流工程を手掛けるSEになりたいという想いはありました。入社から少しずつ力をつけて仕事の幅を広げ、そのたびに昇給してそれなりの報酬はいただいていますが、やはりPGとSEでは平均年収が段違いですから。でも、今の就業先は、本当に居心地がいいんですよね。いろんな開発環境・言語で、次々に開発にチャレンジさせてもらえるし、私の判断を信頼して仕事を任せてもらっているし。だから、特に焦らず、目の前の開発を楽しんできました。
―そうしたら就業先から上流SEとしてのオファーがあったんですよね?
はい。2年に及ぶ新規プロジェクトで、要件定義のさらに上のコンサルティングから携わって欲しいと要望いただきました。「森脇さんの技術力とコミュニケーション力があれば、経験がなくても大丈夫でしょう!」と太鼓判を押され、「もちろん、やらせてください!」と二つ返事で快諾しました。
―4月スタートの新規開発プロジェクトだそうですが、現在はどんな状況なのでしょうか?
実はこのプロジェクトの前段階として、システムの一部のみの改修が別チームで進んでいたんです。ところがその進行がかなり遅れているため、急遽私もその改修チームに合流することになりました。今は実装のトップとしてコーディング規約を決めたり、進捗管理をしてメンバーに指示を出したりしています。一方、4月のプロジェクトスタートに向けては、最近クライアントと顔合わせして、工場見学を終えたところ。本格始動が待ち遠しいです。
―今後の抱負を教えてください。
プライベートを大切にしながら、エンジニアとして楽しく仕事をして、生涯、IT分野で食っていきたいと思っています。そのために、実践を通じてしっかり実力を高め、さらに年収も上を目指していくつもりです。
―では、これからエンジニアを目指す方にメッセージをお願いします。
プログラムの基礎はエンジニアの共通言語です。基礎があれば、実践を通じて応用力をつけていくことができます。たとえば、エスユーエスの開催する勉強会でも、経験の浅い方に向けて基礎を教えていますし、自己学習が得意な方は自分でテキストを読むのでも構いません。エンジニアとして力をつけたいのであれば、まずは基礎をしっかりと固めてください。
日々の開発を楽しみながら高めた技術力とコミュニケーション力でどんどん業務の幅を広げ、新たな仕事を勝ち取られたのだなと感じたインタビューでした。この4月からいよいよ上流工程に挑まれる森脇さんの活躍を楽しみにしています!ありがとうございました。
(E-30!!!編集部)