強いばかりがリーダーじゃない。今のワタシが救いたいのは、「あの頃の彼女」なんです。

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 ゆれ動くリーダー像

ナポレオンの言葉に“The group of one hundred sheep led by one wolf excels the group of one hundred wolves led by one sheep.”というものがあります。直訳すると「一頭の狼に率いられた百頭の羊の群れは、一頭の羊に率いられた百頭の狼の群れに勝る。」言い換えてみると、弱いリーダーがいくら強い集団を率いようとも、強いリーダーが率いる弱い集団には歯が立たない、という古くからの格言です。

 

果たして、フランス革命の時代以外にも、あてはまる名言といえるのでしょうか。

というのも、ここ最近のビジネス界のリーダー論では、「弱味を見せられる人物」であることが大切な人的要件だという風潮に変わりつつあるからです。そうしたスタンスは、メンバーの自主性や判断力を育てるだけではなく、共通のビジョンやミッションで繋がる強固な組織を生みやすいといった成果を上げているともいわれています。

 

今回の「エンジニアSTORY」では、このナポレオンのように、力で後輩を引っ張るタイプではなかった20歳の新社会人が、なぜリーダーを目指すようになったのか、どのように仲間と接して今、信頼を集めているのか、このインタビューを通して少し明らかにしてみたいと思います。

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入社4年目を迎えた川口さん

株式会社エスユーエス

関西第1ソリューション部エンジニアリング課

川口春菜さん(23歳)

2016年入社のIT系エンジニア女子。流体の計測、制御技術を提供する就業先メーカーの生産現場で使用する、ソフトウェアやアプリ開発を手掛ける。現在は開発チームの中心的メンバーで、後輩たちの育成にも力を注いでいる。

 

「まだ未来なんて決めたくない。」と思っていた

―もともと、エスユーエスに入社した理由を教えてください。

 

川口さん:エンジニアとしていろんな職業や職場が体験できるのが、とても魅力的でした。また、大手企業においては、生産現場に配属される新入社員は多いけれど、いきなり開発セクションを経験できる機会は少ない。それを経験できるというのは大きな魅力でした。

 

―入社は、まだ20歳の頃ですから、未来を決めてしまう不安も大きかったのではないでしょうか。

 

川口さん:正直にお話すると、まだ本当は何がやりたいのか、わからない中での就職だったので、いろんな就業先の選択肢があるというのが魅力的に映りました。

 

―チームを組んでのソフトウエアやアプリ開発の業務だとお聞きしましたが、組織で働ける魅力はなんですか?

 

川口さん:個人ではできない部分を補えるということでしょうか。助け合える環境はありがたいと思います。

 

 

とても苦しかった新人時代

―入社したての頃の川口さんは、職場でどのような方だったのでしょうか。

 

川口さん:とにかく自分の業務をこなすことで精一杯でした。周りも見えていませんでした。わからないことだらけでしたし、初めての社会人生活ということもあって、戸惑うことも多かったと思います。

 

―相談に乗ってくれるエスユーエスの先輩はいたのですか?

 

川口さん:派遣業ということで、同じ就業先にいる自社の先輩は違うフロアで勤務していて、なかなか相談にのってもらう機会がありませんでした。なので、毎日悩んでいました(笑)。

 

―休憩時間とかに、自分から訪ねていくことはなかったのですか?

 

川口さん:それが私のいけないところで、性格的に自分からはほとんど話しかけられなかったんです。自分の質問ばかりしたら、迷惑かけるって思っていました。

 

―その頃はとても控えめな新人だったんですね。

 

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新人時代は悩みが多かったという

 

あの頃の自分に向き合ってみた

―2、3年目になって後輩が入ってくると、何か変化はありましたか?

 

川口さん:新人の頃、私に接してくれた先輩の気持ちが、とても良く分かるようになりました。『なんで、相談してくれないの?もっと気軽に声かけてよ!』って思ってるんですよね(笑)。

 

―でも、後輩は迷惑をかけているって思いこんじゃっている、というわけですか。

 

川口さん:誰も悪くないのに、ただ思いがすれ違っていたんです。

 

―仕事だけでなく、プライベートでも良くあるエピソードです。

 

川口さん:それで、まず『自分がされたら嬉しいこと』を実行してみようと考えたんです。声をかけてこない後輩を、ただ待っているのではなく、自ら声をかけてみようって。絶対に喜んでくれるって確信がありました。

だって、あの頃の自分なら涙がでるくらい嬉しいから。

 

ほんとはリーダーになんて、なりたくなかった私

―もともとそうやって、後輩や仲間の相談にのることが多かったのですか?

 

川口さん:人と話すのは大好きなのですが、決して積極的なタイプではないです。でも、自分と同じような悩みを抱えている後輩たちの助けになりたいし、より良い環境で働いてほしいと思うようになって、私の中に職場でのルールを作りました。

尊敬する先輩の受け売りなんですが、『毎日3人の後輩に声をかける』っていうとても単純なものです。

 

―何か職場や自分の気持ちに変化はありましたか?

 

川口さん:私のやりたいことや意見に対して、とても職場の仲間が協力してくれるようになったんです。不思議ですよね。私は強くてみんなを引っ張っていくリーダーになんて別になりたくなかったけど、相手の立場に立てたり、気持ちを大切にできる人にならなれるかもしれないと、今は思っています。

 

―そんな川口さんに先輩、後輩や職場の仲間が共感してくれたんですね。

 

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決して、人の前を走るタイプの人間ではないという川口さん

 

 

「今はリーダーとして実現したいことがあります。」

―今後、リーダーとして今後取り組んでいきたいことを教えてください。

 

川口さん:今この時も、はなればなれの就業先で、エスユーエス社員は働いています。職場の仲間に恵まれている人もいれば、ひとり孤独に悩んでいる人もいます。

私は決して強くはないので、その話を聞いたり、自分の失敗談をお話しすることぐらいしかできないのですが、そうすることで社員間のコミュニケーション不足を補ったり、挑戦する勇気をプレゼントすることならできると思うんです。

技術者派遣という働き方には良いことも、悪いこともありますが、そこから目をそらさず、後輩たちの働きやすい環境づくりにコツコツ取り組んでいきたいと思います。

 

―最後に、まだ若いエンジニアの皆さんにメッセージをお願いします

 

川口さん:自らが少しでもプラスになると思ったことは、臆せずに経験してみてください。今できる1つ1つの小さな経験が積み重なって、将来役立つことになると思います。

地味なコメントでごめんなさい(笑)。

 

インタビュー中、終始控えめに話していた川口さん。後輩に自分から声をかけることは、とても勇気のいることだったんだと伝わってきました。でも、自分のように苦しんでほしくないと思いやる姿勢や、コツコツ努力を重ねることが私のスタイルだと話す言葉に、とても強い意志を感じました。是非、新しいリーダー像を手に入れて、仲間たちを導いていってほしいと思います。

(E-30!!!編集長 上村)