「令和初」の新入社員は『Z世代』?!これから必要とされるリーダーシップとは?

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2020年4月1日―。

昨年の5月に年号が変わり、「令和」になって初の新卒新入社員を迎え入れた企業も多いのではないでしょうか。

いつものように「びしびし指導していこう!」と思っているリーダーのみなさん。これから増えていく「令和」社員に対するリーダーシップ、今のままでいいと思っていませんか?

 

目次
 

令和初の新入社員は『Z世代』?! 

世代の区切りに明確な決まりはないため多少ばらつきはありますが、『Z世代』とは令和初の新入社員が生まれた1997年から2012年までの、現在8~23歳までの人たちを指しており、日本の人口の15%を占めています。アメリカを発祥として、日本でもその呼び方が浸透し始めています。

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この世代の大きな特徴は、インターネットとの親和性です。

幼い頃からインターネットに触れており、『Z世代』のスマホデビューはなんと15歳です。ノートパソコンやタブレットなど複数のデバイスも同時に使用することで、50%以上の人が1日平均10時間ネットに繋がり、71%が1日3時間以上オンライン動画を見ていることも分かっています。このようにデジタル機器と一心同体のような環境で育ってきたのが、生粋のデジタルネイティブである『Z世代』なのです。では、そのような環境の中で彼ら彼女らはどのような価値観を持ち、どんなコミュニティを好んでいるのでしょうか?

 

『Z世代』が持つ価値観とコミュニティ

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出典:Z世代を理解しよう(リーダーシップ)|JOIN THE DOTS

 

  • 「つながり」を大切にする

彼らは、これまでの世代に比べてSNS利用にも積極的です。1つのSNS上で複数のアカウントを使い分けており、30%以上の人が直接会ったことのない人とやりとりをしているという結果も出ています。リアルな友人に限らず、自分のありのままの姿を受け入れてくれるコミュニティに身を寄せる傾向が強くなっているようです。合わせるのではなく、合う人とのつながりを大切にするため、強い自己主張はしない面があるようです。

  • 「多様性」を大切にする

SNSを通じて、いつでもどこでも世界中のあらゆる情報にアクセスできる今、彼らは国境を越えて他者の趣味やファッション、人種やLGBTについての考え方など多様な価値観に触れてきました。偏見を持たず平等を好むため、一方的で高圧的な価値観の押しつけを嫌います。

  • 「意味」を大切にする

生まれた時から当たり前のようにネットが身近にある彼らは、アプリやクラウドサービスなどのデジタルデバイスに関する知識も豊富です。例えば、従来の習慣だからという理由だけで、非効率な作業を一方的に指示されることを嫌います。なぜそのような作業が必要なのか、そのような方法を取っているのかという意味をしっかり説明することが必要といえるでしょう。

 

そしてこのような価値観から求める働き方にも変化が出てきており、2020年卒業の学生に行った就職意識調査では、就職観の1位が「楽しく働きたい」、2位が「個人の生活と仕事を両立させたい」、一番行きたくないのは「ノルマのきつそうな会社」、次が「暗い雰囲気の会社」となっており、自らの価値観を受け入れてくれる柔軟な集団や組織を好んでいることがうかがえます。

 

『ヒトデはクモよりなぜ強い』は今の時代を言い当てている?

ここで10年程前に出版された『ヒトデはクモよりなぜ強い』というベストセラーの内容を、少しご紹介したいと思います。これは歴史上の出来事から、インターネットやIT技術の進化によって引き起こされる社会構造の変化と、これからの組織論を唱えたものでした。これが見事に今の時代を言い当てているのです。

 

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出典:ヒトデ型組織を目指すクモ|ゴドメノショージキ

 

20世紀頃、無敵艦隊と称されたスペイン軍は南米大陸を制覇し、その勢いのまま北上、アメリカ南西部を制圧しようとしていました。しかし、スペイン軍はその一帯を支配していたアパッチ族という部族に敗れてしまいます。

当時のスペイン軍は、クモの形をした組織でした。クモという生物は虫メガネで見ると、小さな頭と8個の目がついていて、足1本や目2つくらいを失っても死にませんが、頭を切り落とせば死んでしまう体の構造をしています。クモ型組織とは、トップが最も多くの情報や知識を持ち、重要な意思決定を下す権限を持っています。

対するアパッチ族は、ヒトデの形のような組織でした。ヒトデには頭がなく、真ん中にある体が何かを命令するわけでもないので、動こうと思ったら腕のうちの1本が、他の腕に「動こうよ」と説得しなければいけません。さらに、ヒトデを半分に切り離すと、2つに割られて死ぬどころか2つに分化する特殊な体の構造をしています。アパッチ族には全てを掌握する責任者は存在せず、ナンタンという長は助言をするだけ。構成員が同様の知識と権限を持っているヒトデ型組織でした。

スペイン軍は、アパッチ族の長であるナンタンを殺す戦略に出ましたが、組織の頭ではないため、殺しても次々に新しいナンタンが登場しました。また、ナンタンに許可を求めたり承認を得たりする必要がなく、構成員の判断で動くことができるため、すばやく状況を把握して対処できるという強みがありました。こうして、ついに組織が崩壊することはなく、スペイン軍はアパッチ族を制圧することはできませんでした。

この書籍には、このような興味深い史実が紹介されています。

 

2つの組織が執っていたリーダーシップ

そもそもリーダーシップとは「組織の中で目標を定め、チームをつくり、成果を出す能力」を指しています。リーダーシップの中のlead(率いる)という言葉から、チームを先頭で引っ張り指示通りに仕事を進めさせる「支配型」のイメージを持つ人が多いようで、実際、65%以上のリーダーがこの方法を執っているようです。

しかし、リーダーのカタチにはもう一つ「支援型(=サーバント)」というものが存在します。これは、部下に一方的に命令するのではなく、組織のビジョンを示し、部下を信頼して仕事を任せることで組織全体の成長を促すリーダーシップスタイルのことです。

 

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出典:サーバントリーダーとは|SLP

 

そして、この2つのリーダー像は『ヒトデはクモよりなぜ強い』の2つの組織を思い出させます。

クモ型組織であるスペイン軍のリーダーは「支配型」のリーダーシップを執り、対するヒトデ型組織であるアパッチ族のナンタンと呼ばれるリーダーは「支援型(=サーバント)」のリーダーシップを執り、組織をまとめていたのではないでしょうか。

 

『Z世代』に必要とされるリーダーシップとは?

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『Z世代』は、「つながり」と「多様性」と「意味」を大切にし、自らの価値観を受け入れてくれる柔軟な集団や組織を好んでいます。

組織を権力のみによって支配するのではなく、構成員個々の能力を大切にして、共通のヴィジョンの下に集結するアパッチ族のようなヒトデ型組織は、まさに彼らの価値観とマッチしています。そのリーダー像=「支援型(=サーバント)」こそが彼らを導いていけるリーダーシップなのではないでしょうか。

IT技術や経済環境が目まぐるしく変化するこれからの時代、判断時の意思決定の速さやイノベーションの創出は非常に重要とされており、このような社会背景の下で育ってきた彼らの知識や価値観は、事業成長のために欠かせないものになってくるはずです。

これからの時代のリーダーは、今後ビジネス界に進出する彼らが思いきり力を発揮できるような、時代に合った組織を作っていくことが重要になってくることでしょう。

 

(E-30!!!編集部 猪熊)